緩やかな上昇を想定しコール・カレンダー・スプレッドを試した結果
2015/02/26
1/15に模擬トレードでコール・カレンダー・スプレッドを試してみました。カレンダー・スプレッドは相場があまり変動せずに期近のタイムディケイを狙う戦略です。
1月15日の相場状況
昨年末からの米市場急落に伴い、日本市場も連動して下落していました。その中、昨年の量的緩和実施日の引値(2014/10/31:16,413.76)まで数百円(2015/1/14:16,795.96)に迫っていました。
ただ、16,755.32(2014/12/16の引値)が前回の最安値になっているので16,500円では切り替えされることを想定しました。1/15の寄り付きより上昇に転じていたことから底打ちは終わったと判断し、緩やかな上昇になると想定してコール・カレンダー・スプレッドを構築してみました。
仕掛け
1/16のザラ場で上昇を確認してから、先物が17,060でポジションを構築。
銘柄 | 枚数 | 価格 | IV |
02C175 | -1 | 225 | 21.1% |
03C175 | +1 | 420 | 22.4% |
デルタ | ガンマ | ベガ | セータ |
0.06 | -0.0001 | 8 | 1.3 |
+195の支払いです。
(模擬トレードなので指値が使えないため成り行き(最良指値)で決済したと仮定した価格です。)
手仕舞い
上昇局面に入ってきましたが緩やかではなく、早いペースで上昇しました。1/23にITMに入り、調整を経て1/27に大きくITMに入りました。評価益が出ていないのであと1日待って1/28で手仕舞いしました。
銘柄 | 枚数 | 価格 | IV |
02C175 | +1 | 495 | 20.4% |
03C175 | -1 | 665 | 19.9% |
デルタ | ガンマ | ベガ | セータ |
-0.06 | -0.0002 | 10 | 3.3 |
-170で受け取り。結果25の支払い(損失)。-25,000円です。
ほぼ、ビットアスクスプレッド分やられた状態です。仲値基準ではほぼ±0。
反省点
カレンダー・スプレッドは想像より仕掛けるタイミングが難しいです。タイミングを誤ると相場観が当たっていても利益になりません。
1.イン・ザ・マネーに入りガンマショートの影響でデルタがマイナスになったことにより損失が発生
2.上昇局面ではコールのIVが落ちる傾向にあるためベガロングにより損失
3.仕掛け時のIVが期近<期先になっていた
負けた要因分析
今回の取引の仕掛け日ベースでの原資産に対する損益図の確認です。
見ての通り、イン・ザ・マネーに近づけば益が出るはずです。そして、ITMから100円ぐらい入ったところが極大値になっています。しかも約10日分のセータがプラスされるので収益が上がってないということは、完全にベガでやられた計算になります。
銘柄 | 仕掛け時IV | 手仕舞い時IV | 差分 |
02C175 | 21.1% | 20.4% | -0.7% |
03C175 | 22.4% | 19.9% | -1.5% |
ベガで-52も負けています。それじゃあ、いくらデルタとセータが取れてもデルタは先物mini 1枚分もないので勝てないわけです。
ベガ負け分計算式:18*(21.1-20.4)-26*(22.4-19.9)=-52.4
想定以上に速い速度で上昇したため期近のボラティリティが上昇したのだと思われます。コール・カレンダー・スプレッドは「緩やかな」上昇ではなればダメなのでなかなか難しいです。ボックス圏内での反転上昇ではカレンダースプレッドには上昇速度が速すぎたようです。ボックス圏から外れて上昇するときはじりじり上がる展開になるのでいいのかもしれません。今後また試してみます。
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