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【オプション戦略】クレジット・スプレッドのメリットとデメリット

      2016/12/05

オプション取引の(ネイキッドの)買と売にはそれぞれメリットとデメリットがありました。今回はそのメリットとデメリットを相殺してマイルドなポジションにしてより利益を上げやすくする戦略を解説していきます。

オプション取引をする人がまず覚えるべきなのがクレジット・スプレッドです。クレジット・スプレッドはコールオプションかプットオプションのどちらかを利用してポジションを形成します。

取引例

OTMのオプションを売り、売ったオプションの同限月でさらにOTMなオプションを買います。

コールオプションの場合

例:先物が17000円の時権利行使価格18000円のコール・オプションを200円で売り、権利行使価格19000円のコール・オプションを50円で買います。
クレジット・コール・スプレッドの損益図

プットオプションの場合

例:先物が17000円の時権利行使価格16000円のプット・オプションを200円で売り、権利行使価格15000円のプット・オプションを50円で買います。
クレジット・プット・スプレッドの損益図

クレジット・スプレッドのメリットとデメリット

クレジット・スプレッドのメリットとデメリットを見ていきます。ネイキッドオプションの売りに比べて、どのようなメリットデメリットがあるのか理解することが重要です。

クレジット・スプレッドのメリット1

オプションの裸売り(ネイキッドセル)に比べ、損失が限定されるポジションになります。ネイキッドのオプション売りの場合、相場が急変すると損失がどこまで拡大するか分からなくなるので、損失額の膨れ上がる苦しい状況に陥ります。それを防ぐためにも、どこまでの損に限定するのかをあらかじめ決めることで資金を守れます。

クレジット・スプレッドのメリット2

メリット1の損失限定のおかげで、ネイキッドセル(裸売り)に対してリスクが低くなり証拠金が少なくて済みます。相場環境や権利行使価格が原資産とどのぐらい離れているかにもよりますが、概ね1/3-1/5程度証拠金を減らすことが可能です。つまり、資金効率が高める事が出来ます。(証拠金が少なくなる割合はあくまで目安ですので、必ずご自分で確認してください。)

クレジット・スプレッドのデメリット1

損失が限定されるために、売ったオプションよりアウトのオプションを買っています。このオプションのタイムディケイを受けてしまうため、ネイキッドセルに対して利益額が少なくなります。

しかも、たいていの場合、仮に売ったオプションの権利行使価格は越えても、ヘッジで買った権利行使価格まででは原資産が到達しないということがほとんどです。結果、ヘッジは不要だったことになります。しかし、このデメリットを考慮してもネイキッドセルより断然有利な戦略で安心感を持って取り組めます。

ポジションを取るときの相場観

クレジットスプレッドを取るときは、これ以上は上がらないだろう(これ以下には下がらないだろう)という抵抗線や支持線を持ちます。売るオプションの権利行使価格は「ここは破られないだろう」というところを売ります。そして、リスクが許容できる額を決め、さらに外のオプションを買いリスクを限定させます。

クレジット・コール・スプレッド

相場が持合いまたは緩やかな下落を想定。デルタショート、ガンマショート、ベガショートなので急騰に弱い。

クレジット・プット・スプレッド

相場が持合いまたは緩やかな上昇を想定。デルタロング、ガンマショート、ベガショート急落に弱い。相場は上がるときに比べて下がるときの方が急速でIVも上昇しやすいのです。

相場観まとめ

相場 クレジット・
コール・スプレッド
クレジット・
プット・スプレッド
急騰 xx ○○
上昇 x
変わらず
下落 ×
急落 ○○ ××

ポジションの手仕舞い

取引時のスプレッドが70%-80%で閉じるべきです。既に残り20%の時は日経平均株価が遠くに行っているか満期日まで時間がない時ですのでそのまま持っておいても安心感はあります。しかし、わずかなお金のために大きなリスクを取る必要はありません。同じトレンドが続きそうであれば限月を変えたり、権利行使価格を変えて再度組見直すべきです。

損切りは?

スプレッドの拡大を見るのも重要です。ただ、機械的にスプレッドの広がりで損切りラインを保守的に決めてしまうと意外と簡単にロスカットに引っかかってしまいます。

スプレッドの動きより原資産の動きに合わせて自分で決めた抵抗線や支持線を越えた時などを目安にする方がいい。そして、トレンドが逆に向いた段階でポジションを立て直すことにより損失分を補てんすることが可能。通常、一方方向に下げや上げが連続して続くことはなく、一服した時や調整局面でポジションを立て直すこともできます。

クレジット・スプレッド両建て

クレジット・コール・スプレッドとクレジット・プット・スプレッドを両建てすることでヘッジ付ショートストラングル(アイアンコンドル)を作ることが出来ます。

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