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図解でわかる!プット・コール・パリティの意味と活用法

   

オプションがディープ・イン・ザ・マネーになってしまうと、流動性が著しく枯渇してしまいます。「決済しようとしても板がない!」と思ったことはないでしょうか?

また、仮に決済出来ても、大きなスプレッドコストを取られてしまう場合があります。それを回避するためにも、「プット・コール・パリティ」の概念を理解しておく必要があります。

プット・コール・パリティとは?

プット・コール・パリティとは、同一利行使価格で同一限月のプットオプションとコールオプションの間で成立する関係式のことです。

具体的な関係式は、

  • コール買い+プット売り=先物買い
  • コール売り+プット買い=先物売り

※先物の契約価格はオプションの権利行使価格

ここでポイントなのは「同一の権利行使価格」です。

パリティって何?

パリティは英語でparityと書きます。意味は「等価」です。つまり、プット・コール・パリティは日本語的に言えば「プットとコールの関係式」ということです。(プットとコールは英語のままですが)

プット・コール・パリティの図

●以下の例の前提条件
先物価格:18,500円
権利行使価格が18,000円のコール・オプション:600円
権利行使価格が18,000円のプット・オプション:100円

コールオプションがイン・ザ・マネーになっています。

コール・オプション買いの損益図

コール・オプション買いの損益図

プット・オプション売りの損益図

プット・オプション売りの損益図

コール買い+プット売りの損益図

コール買いとプット売りの損益図の合計です。
コール買い+プット売りの損益図この黒線はまさに先物の損益図です。つまり、18,500円の時に先物1枚を買った損益図になります

コール売り+プット買いの損益図

念のため、コール売りとプット買いで先物売りを作ってみました。
こちらも同じく18,500円の時に先物1枚を売った損益図になります。

プット・コール・パリティの活用法1:ITMオプションの決済

プット・コール・パリティの最も使える活用法はディープ・イン・ザ・マネーになったオプションの(疑似的)決済です。

ディープ・イン・ザ・マネーになったオプションは、板がほとんどありません。そのため決済するには、指値でかなり不利な価格を提示しないとマーケットメイカーが受けてくれない時があります。それを回避するために、板が十分にあるアウト・オブ・ザ・マネーと先物で決済することが出来ます

プット・コール・パリティを利用したオプションの決済例

権利行使価格18,000円のコール・オプションの売りポジションを保有
●相場状況
先物価格:18,500円
権利行使価格が18,000円のコール・オプション:最良売値1,000円 最良買値500円
権利行使価格が18,000円のプット・オプション:最良売値100円 最良買値95円

インザマネーとなったコール・オプションの板が薄くなり、決済したくてもかなり不利な価格ではないと出来なくなっています。ですから、ここでプット・コール・パリティを活用してコール・オプションの売りポジションの無力化をさせます。

プット・コールパリティを利用した決済のオペレーション

プット・コール・パリティは「コール買い+プット売り=先物買い」なので、式変形をして→「コール買い=先物買い+プット買い」。

ですから、先物買いと同一権利行使価格のプット買いを同時に行います

プット・コールパリティを利用した決済の注意点1:証拠金管理

プット・コール・パリティを利用した決済では必ず売りオプションが残ります。このポジションにはリスクが全くないポジションなのにもかかわらず、売りオプションにかかる証拠金が必要になります。

なぜなら、リスクゼロのポジションであっても売りオプションがあるだけで、証拠金が必要になるシステムになっているからです。ただ、枚数が多くなければ大きな問題にはならないでしょう。

プット・コールパリティを利用した決済の注意点2:売り枚数制限

売りオプションの枚数が解放されません。ですから、オプション売りを中心に取引している人は、いざ売りたい時に限度枚数に引っかかる可能性に注意が必要です。

プット・コール・パリティの活用法2:ITMオプションの理論価格

インザマネーのオプションを決済したくてもスプレッドが開いていて最良価格が分からない状態です。そのため、そのまま最良価格で決済をすると割を食ってしまいます。

プット・コール・パリティを利用したオプションの理論価格算出例

権利行使価格18,000円のコール・オプションの売りポジションを保有
●相場状況
先物価格:18,500円
権利行使価格が18,000円のコール・オプション:最良売値1,000円 最良買値500円
権利行使価格が18,000円のプット・オプション:最良売値100円 最良買値95円

コールオプションがイン・ザ・マネーになっていて最良売値と最良買値が開いています。イン・ザ・マネーになっているとこういう事はよく起こります。この時1,000円で決済するには高すぎるですからプット・コール・パリティを活用してコールオプションの適正な価格を算出します。

プット・コール・パリティ:コール買い+プット売り=先物買い
式変形をして:コール買い=先物買い+プット買い

先物買い:18,500円-18,000円=500円(先物の契約価格はオプションの権利行使価格なので)
プット買い:100円(最良売値)
コール買い=先物買い(500円)+プット買い(100円)=600円

ですから、このコール・オプションの適正価格は600円と分かります。そこで600円の指値を出します。

これで決済されなければ1ティック上げます。大抵は1~2ティック不利な価格を提示すれば、マーケットメイカーが約定してくれます。 

プット・コール・パリティのまとめ

プット・コール・パリティ

  • コール売り+プット買い=先物買い
  • コール買い+プット売り=先物売り

※オプションは同一限月、同一権利行使価格

プット・コール・パリティを活用することで、板のないオプションの適正な価格を算出することが出来ます

また、板のないオプションの決済を事実上行うことが出来ます。ただし、証拠金が増えるリスクがあり、売りオプションの枚数制限にかかる可能性があります。通常時は出来るだけ、プット・コール・パリティを使かった(疑似的)決済を行わずに買い戻す(または転売する)ことが最善です。どうしても決済したいけど出来ない時だけと覚えておきましょう。

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