投資初心者のための 鉄壁資産運用

【オプション戦略】ショート・ストラングルのメリットとデメリット

      2016/11/28

シンプルなオプション売りの戦略として、コール・オプションかプット・オプションを売り、タイムディケイを利用して利益を上げる方法があります。しかし、これだとデルタリスク(原資産が動いた時のオプション価格の変動リスク)が大きく、評価損益の変動が日経平均株価の動きに大きく依存して変動します。

そのため、ここまで上(下)なら大丈夫と考える権利行使価格のオプションを売っていても、日々の値動きに一喜一憂させられてしまいます。それを軽減させて、さらに利益を伸ばそうとする方法がショート・ストラングルです。

ショート・ストラングルの取引例

十分安全なOTMのプット・オプションとコール・オプションを同じ枚数売ります。
例:先物が17,000円の時、権利行使価格16,000円のプット・オプション(200円)と権利行使価格18,000円のコール・オプション(150円)を売ります。(この例ではデルタを計算していませんが、実際はデルタをなるべくゼロに近くなるように権利行使価格を調整します。)

ショート・ストラングルの損益図

上記例のオプション満期日の損益図です。
ショート・ストラングルの損益図

メリット1:単体売りより利益を上げやすい

SQが16,000を下回らないか、18,000を超えていなければ売ったオプションは権利消滅になり、プレミアムが全額もらえます。さらに両建てで売っているので両方のオプションが損失になることはなく、コールがイン・ザ・マネーで満期になる時はプットは必ず権利消滅します。それとは逆に、プットがイン・ザ・マネーで満期になる時はコールが必ず権利消滅します。

このため単独でコールかプットを単独で売ったを場合と比べ、中心から少し外側に利益範囲を取ることが出来ます。これは大きなメリットです。

<上記例の利益範囲>
ポジション 利益範囲(SQ値)
コール・売り 0~18,150
プット・売り 15,800~∞
ショート・ストラングル 15,650~18,350

(※手数料は含まず)
この利益範囲から分かるように、ショート・ストラングルは「テールリスクは取るけれど、一定の範囲に収まるときには利益になるポジション」です。

メリット2:単体売りよりリスク管理が可能

ショート・ストラングルを組むときは通常デルタニュートラルに組みます。なぜなら、ショート・ストラングルを組むのは日経平均株価がどちらに行くかわからないけど一定範囲にとどまると思う時なので、どちらに行ってもいいようにデルタを消しておきます。

デルタニュートラルにすることで日経平均株価が上がっても下がっても、プットかコールのどちらかが含み益になります。そのため、日経平均株価がある程度以上(以下)になったら利益を余り減らさずに権利行使価格を変えてポジションを組みなおすことも出来ます。ただし、ガンマショートになっているのでその分は当初利益より少なくなります。

デメリット

相場が急騰、急落した場合(例えば、大地震の発生や日銀のサプライズ緩和)は売りポジションなのでどちらでも潜在的に大きな損失を抱える可能性があります。

ポジションを取るときの相場観

ショートストラングルを取るときはボックス相場が形成されると思う時です。想定する支持線より下のプットを売り、想定する抵抗線より上のコールを売ります。

仕掛け

想定するボックスの外でコールオプションとプットオプションを売った時に、デルタニュートラルになる権利行使価格を選んで仕掛けます。限月は日経225オプションの場合はあまり選択肢はありませんが、期先オプションで仕掛けた方が良いと思います。期近で十分に離れた権利行使価格の場合、期先よりセータが小さい傾向があります。つまり、オプション価値(時間的価値)がすでに剥げてしまっているわけです。収益をあげようとすると幅を狭めないといけなかったり売る枚数を増やさないといけないのでリスクが高まります。

手仕舞い

あまり欲張らず仕掛けた時から60%-70%程度セータが取れたら十分だと思います。ボックス圏の中央に戻ってきた段階で手仕舞いするのがベストです。そのころには期近がSQを迎えて新たな期先が取引可能の時で、相場観が変わらなければ限月交替をさせても新たにショート・ストラングルを組みなおしてです。

損切りは?

ボックス圏を外れそうなときは売っているオプションがイン・ザ・マネーになる前に買い戻します。イン・ザ・マネーになると流動性が落ちるのとデルタリスクが大きくなりバランスが崩れすぎてしまいます。

破られそうになった反対側のオプションを買い戻して利益を確定させ、再度ショートストラングルを組むことで一部損失をカバーできます。

組み直し例

例:先物17000円で権利行使価格16000円のプット・オプションと権利行使価格18000円のコール・オプションでショート・ストラングルを組んだ
先物が16200円まで下がってきて16000円を割るのが時間の問題で、ただ15500円は破られないと考えるなら、プット・オプションを買戻し権利行使価格15500円のプット・オプションを売ります。同様にコール・オプションを買い戻し16500円のコール・オプションを売ります。これにより再度利益を得ることが可能です。

但し、ガンマ分のやられがあるため何度も組みなおすと利益が残らなくなります。トレンドが形成されそうなときは手仕舞いして別の戦略に変えて方が安全です。特に急落時は。

相場観まとめ

相場 ショート・ストラングル コール・オプション売り プット・オプション売り
急騰 ××× ×××
上昇
変わらず ○○
下落
急落 ××× ×××

ショート・ストラングルは現状維持を強く望むポジションです。また、上昇や下降のレベルはボックス圏を抜けない緩やかなことが前提です。ショート・ストラングルだと急落や急上昇した時に損失が多大になることがあり、また、証拠金が不足して強制決済になるリスクもあります。

そのためショートストラングルにさらに外の権利行使価格のロング・ストラングルを組み合わせたヘッジ付ショートストラングル(アイアンコンドル)という戦略もあります。

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Comment

  1. 染井 潔 より:

    始めまして、こんにちわ

    毎月のSQ(締日)の終値をエクセルに記入それで毎回前月と比較します
    リーマンショック以外は1500円以上の動きはないようです、取り寄せられますね、

    例えば15,000円で横横の時コール売りは16,600円で買い
    プット売りは13,500円で買い途中で高低変化があってもSQ日まで待つという方法です、コール2本、プット2本入れます、プレミアム料稼ぎですかね・・

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